2018-01-01から1年間の記事一覧

《〈釋殷墟甲骨文裏的“遠”“𤞷”(邇)及有關諸字〉導讀》日本語訳(三、(二))

(二)関連字形の異体分合問題に対して辞例を加味して正確な判断を下す 古文字中には同一字の異体がとても多いため、言語における同じ単語・語素を表す文字には、多くの異なる字形あるいは「写法」がある。この「異なる字形」は、大きく「構造は同じだが写法…

《〈釋殷墟甲骨文裏的“遠”“𤞷”(邇)及有關諸字〉導讀》日本語訳(三、(一))

三、《遠邇》文の関連字形に対する研究 かつて、裘先生は自分について「古文字の考釈においては、朱德熙先生の影響を最も深く受けた」と述べている*1。また朱德熙先生の古文字考釈を評価して「先生の古文字字形に対する分析は、非常に緻密である。ある時、と…

《〈釋殷墟甲骨文裏的“遠”“𤞷”(邇)及有關諸字〉導讀》日本語訳(二)

二、古文字の「考釈」とその根拠――字形と辞例(文字の用法) 「文字考釈は古文字研究の基本作業であり、古文字研究の各分野が得た進歩は、いずれも文字考釈の成果と切り離すことはできない」*1。さらに林澐は「古文字学の研究対象は待識先秦文字で、その仕事…

《〈釋殷墟甲骨文裏的“遠”“𤞷”(邇)及有關諸字〉導讀》日本語訳(一)

一、《釋殷墟甲骨文裏的“遠”“𤞷”(邇)及有關諸字》の主な内容 《釋殷墟甲骨文裏的“遠”“𤞷”(邇)及有關諸字》(以下「《遠邇》文」と呼ぶ)は、裘錫圭の甲骨文字考釈論文の中でも比較的早くに書かれたもの(文末の附記によれば、初稿は1967年で、1982年に《…

楚簡の文字認識

CNNの勉強(?)。 とりあえず画像を読み込んで分類する的なことをしてもらおうとした。 なにか手持ちのデータで良いデータがないかと思ったがなかった。 MNISTを見て、楚簡の字なら読めるんじゃないかと思った。 《楚簡帛字典》より、清華簡(貳~柒)の「…